赤ちゃんや乳幼児が病気や怪我をすると心配ですよね。



新生児期の病気

母と子

産声が赤ちゃんの状態を知る手掛かり

 

赤ちゃんがママのお腹の中にいたときは、へその緒を通して、ママの胎盤から酸素の多い血液をもらっていました。

 

それが、生まれた瞬間から、自分の力で呼吸し、肺から直接酸素を取り入れなくてはならなくなります。

 

ママのお腹の中で悠々と暮らしていたときと比べると、劇的な環境の変化です。

 

最初にオギャーと産声をあげたときが、呼吸のスタートで、殆ど赤ちゃんは、この複雑な過程を一瞬のうちにやってのけます。

 

そのため、生まれてすぐに産声があがったかどうかが、赤ちゃんの状態を判断する大きな手掛かりになるのです。

 

なかにはこの瞬間をきりぬけるのが下手な赤ちゃんもいます。

 

だいたい20人に1人の割合で、生まれて1分たった時点で産声をあげず、仮死と判断されますが、このうちほとんどは、足の裏や背中をこすったりするだけで、すぐ泣きだします。

 

それでも自分の力で呼吸できずに、心臓マッサージや人工呼吸器が必要になる赤ちゃんも、200人に1人はいます。

 

しかし、だからといって、すぐに心配な影響が出るわけではありません。

 

お腹の中では赤ちゃんは大人よりずっと酸素が少ない環境で育ってきています。

 

生まれた直後は少ない酸素を有効に取り込むシステムが働いていて、酸素不足に対する抵抗力は大きいのです。

 

新生児期の赤ちゃんはすべての面で試運転中

 

ママのお腹の中では、赤ちゃんは胎盤から必要な養分を貰うと共に、不要になった物質は外に出してもらっていました。

 

胎盤から切り離された直後から、赤ちゃんは消化吸収も、また不要な物の排泄も、すべて自分でやらなくてはなりません。

 

ですから、新生児期の赤ちゃんは、体の各器官がすべて、試運転開始という大切な時期なのです。

 

そのため、生まれてからしばらくの間は、小さなトラブルがいろいろ起こります。

 

母乳やミルクをダラダラこぼす、しゃっくりをよくする、目やにが出るなどのトラブルがあっても、そのほとんどは成長するにしたがって、自然に消えていくでしょう。

 

ただし、鼻水がひどくて鼻づまりがあるときは、少し気をつけましょう。

 

赤ちゃんは生後3か月、体重が6kgになるころまで、口で呼吸することを知りません。

 

そのため、鼻が詰まってしまうと、呼吸が苦しくなります。

 

鼻が詰まったときは、綿棒やスポイトで鼻汁を取って、呼吸を楽にしてあげましょう。

 

さらに赤ちゃんは、体温を調節することも苦手です。

 

3カ月ごろまでは、寒いときには低体温に、暑い部屋にいると高体温になる、というように環境に左右されやすいので、室温や衣類の調節には気をつけましょう。
本能的に身を守ろうとする原始反射が備わっています

 

生まれたばかりの赤ちゃんは、手足の動きも、無目的でバラバラに見えます。

 

しかしよく見ると、手のひらや足の裏を強くなでたりつついたりすると、握りしめるようにします(把握反射)。

 

またびっくりするとなにかにしがみつくような格好をしたり(モロー反射)、顔を横に向けて左右非対称のフェンシングをするようなポーズをとったりします(非対称性頸反射)。

 

これらは、赤ちゃんに生まれたときから備わっている、原始反射といわれるものです。

 

原始反射にはそのほか、唇の周りにものが触れるとそちらに口を向ける唇追いかけ反射や、乳首や指が唇に触れるとかなりの勢いで吸いつく吸啜反射などがあります。

 

この反射があるからこそ、生まれた直後から、誰に教わらなくてもお乳を飲むことができるのです。

 

把握反射やモロー反射も、赤ちゃんが身を守るための反射考えられています。

 

これらの原始反射は、3カ月を過ぎることから自然に消えていきます。


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