赤ちゃんや乳幼児が病気や怪我をすると心配ですよね。



新生児黄疸(しんせいじおうだん)

母と子

こんな病気:生まれて数日以内に出る黄疸、ひどいときは治療が必要

 

赤血球が壊されてできるビリルビンの代謝・排泄の経路のどこかに障害があるため、増えたビリルビンが皮膚や粘膜(白目など)に沈着して、黄色く見えることを黄疸といいます。

 

ほとんどの日本人の赤ちゃんは、生後2〜4日ごろから一時的に黄疸が出ますが、1〜2週間以内に自然に消えていきます(生理的黄疸)。

 

ただ、黄疸が非常に強い場合は、脳にビリルビンが沈着して核黄疸を起こす可能性があります。核黄疸は、脳障害を起こし、脳性マヒの原因になります。

 

黄疸の原因を探り、必要なら核黄疸を予防する治療を早く始めることが大切です。

 

原因:生まれた直後は赤ちゃんの機能が未熟なために起こります。

 

生理的黄疸

 

胎児時代は乏しい酸素を有効に使うために赤血球がたくさん必要です。

 

しかし誕生して自力で呼吸するようになると、効率的に酸素を取り込めるので、それほどたくさんの赤血球は必要なくなります。

 

そこで余分な赤血球は壊され、ビリルビン(非抱合型ビリルビン。脂溶性で脂肪の多い神経組織に沈着しやすい)がたくさんできます。

 

このビリルビンはそのままの形では胆汁に排泄できないので、肝臓でグルクロン酸を結合させて、水溶性の抱合型グルリビンにして胆汁に排泄します。

 

ところが、生後しばらくは、抱合型にする肝臓の働きが未熟で、ビリルビンを胆汁中に十分排泄できないため、黄疸が出やすいのです。

 

特発性高ビリルビン血症

 

黄疸の原因となる病気がなくても、ビリルビンの値が生理的黄疸の範囲を超えているもの(成熟児で総ビリルビン値17mg/dl以上が目安)をいいます。

 

核黄疸を予防する治療が必要です。

 

ふつうは、光線療法でビリルビン値が下がりますが、まれに交換輸血が必要なことがあります。

 

低出生体重児は核黄疸を起こしやすいので、総ビリルビン値がもっと低くても治療をします。

 

母乳性黄疸

 

母乳に含まれる脂肪酸は、ビリルビンを抱合型にする酵素の働きを抑えるので、母乳だけを飲んでいる赤ちゃんは黄疸が生後1か月ごろまで長引くことがあります。

 

このころの赤ちゃんは、核黄疸を起こさなくなっているので、治療も必要ありません。

 

ただ、乳児肝炎や胆道閉鎖症からくる黄疸と区別するために、2〜3日母乳をやめて原因を確かめることがあります。

 

新生児溶血性貧血

 

ママと赤ちゃんの血液型が違う場合、赤ちゃんの血液がママの体の中に入ると、ママに赤ちゃんの赤血球に対する抗体ができます。

 

その抗体が胎盤を通じて赤ちゃんに入ると、赤ちゃんの赤血球は破壊されてビリルビンが増えるので、出生直後から強い黄疸が起こり、核黄疸を引き起こすことがあります。

 

とくに、ママがRh(-)で、赤ちゃんがRh(+)のRh型不適合は、症状が強く核黄疸の可能性も高いものです。

 

妊娠中から検査をして、必要に応じて治療をします。

 

ママの体に抗体ができるのは、@流・早産のとき、A分娩のとき、B妊娠前にRh(+)の輸血を受けていたときが多いので、第一子のときはあまり、血液型不適合を起こしません。

 

第一子を出産した直後に、ママに抗体をつくらないようにする治療をして、第二子以降の溶血性貧血を予防します。

 

ABO型不適合は、ママがO型で、赤ちゃんがA,B型のときに、症状が出やすいものですが、Rh型不適合ほど強く出ることはありません。

 

治療は光線療法が一般的ですが、症状が強いときは交換輸血を行います。

 

その他の原因

 

頭血腫や新生児メレナなどの出血があったとき、乳児肝炎や胆道閉鎖症など肝臓の働きに問題があるときにも黄疸は強く出ます。原因となっている病気の治療がまず必要です。

 

核黄疸

 

ビリルビンが脳の中に入り込み、大脳基底核に沈着すると、核黄疸を起こします。

 

ぐったりして元気がない、おっぱいやミルクの飲みが悪い、体を後ろに反らす、眼球が下を向く、全身を硬くするなどの症状が出ます。

 

生命にかかわったり、脳障害を起こして脳性マヒや難聴、知的障害の原因になることもあります。

 

治療はできるだけ早くビリルビン値を下げることで、光線療法や交換輸血を行います。

 

とくに未熟児は核黄疸を起こしやすいので、こまめにビリルビン値を測ってケアをします。

 

治療:危険な値になる前に光線療法を行います。交換輸血が必要になる場合も

 

できるだけ早くビリルビン値を下げるために光線療法を行います。ビリルビン値が急速にあがり、光線療法では間に合わないときは交換輸血を行います。

 

光線療法

 

ビリルビンは光をあてると、水に溶ける性質に変わります。すると、尿に溶けて体から排泄されやすくなります。

 

保育器の中で赤ちゃんにブルーやグリーンのライトを当てるのが光線療法です。

 

目には直接光が当たらないように眼帯をしますが、光線療法の副作用はありません。

 

交換輸血

 

赤ちゃんの体の中から早くビリルビンを除くために、交換輸血をして、赤ちゃんの体の中の血液を総取り換えしてしまう治療法です。

 

ビリルビンをたくさん含む血液を体外に出してしまうのですから、核黄疸の心配はなくなります。

 

交換輸血は、感染症などのリスクがまったくないわけではありませんが、核黄疸を考えるとメリットの多い治療法です。




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