赤ちゃんや乳幼児が病気や怪我をすると心配ですよね。



感染症

母と子

感染症は細菌やウイルスなどが原因で起こる病気

 

感染症は細菌やウイルスなどの病原体が、体に侵入して起こる病気です。

 

赤ちゃんや子どもの発熱、下痢、せき、嘔吐などのほとんどは感染症によるものです。

 

感染症の原因、種類はたくさんあるので、最も多い原因である細菌とウイルスについてどんな病気があるのかみてみましょう。

 

細菌によるものでは、肺炎、結核、百日ぜき、胃腸炎、虫垂炎、尿路感染症、髄膜炎、扁桃炎、中耳炎などがあります。

 

ウイルスによるものでは、かぜ、インフルエンザ、肺炎、胃腸炎、肝炎、髄膜炎、はしか、風疹、水ぼうそう、おたふくかぜ、水いぼなどです。

 

細菌とウイルスの両方にあげられているものは、原因が細菌の場合もウイルスの場合もあるものです。

 

感染症の原因には、このほかリケッチア(ツツガムシ病、発疹チフス)、クラミジア(オウム病、性感染症)、真菌=カビの一種(皮膚カンジダ症、鵞口瘡、水虫)、原虫(トキソプラズマ症、マラリア)などがあります。

 

これらの感染症は、かぜや麻疹のはしかのように人から人へうつる伝染性のものと、化膿性の中耳炎、虫垂炎などのように人にうつらないものとがあります。

 

昔から伝染する病気のあることはわかっていましたが、その原因はわかりませんでした。

 

19世紀後半になって、肉眼では見えない細菌が、多くの病気の原因となることがわかりました。

 

しかし、うつる病気のなかにも、まだ原因となる細菌がみつからないものがありました。

 

その多くが、細菌より小さいウイルスによる病気で、19世紀の末にその存在が推定され、ウイルスは20世紀になって電子顕微鏡によって初めて目に見えるようになりました。

 

こうして多くの感染症が、細菌やウイルスによって起こることがわかり、治療法の研究も進みました。

 

細菌に対しては抗生物質という強力な治療薬ができていますが、ウイルスの治療薬はごく一部のほかはみつかっていません。

 

幸いなことにウイルス性の病気の多くは1〜2週間で自然に治ります。

 

また、予防接種をすることで病気を予防したり、かかっても軽く済むようになっています。

 

しかし、はしか、水ぼうそう、おたふくかぜのように、大人になってかかると、症状が重くなる病気は、はしかは別として、子どものときに自然にかかってしまったほうがいいという考え方にも根拠があり、予防接種が万全というわけではありません。

 

20世紀後半になって薬の効かない細菌(薬剤耐性菌)の増加から、一旦少なくなった感染症が再び増え始めたり、新しい劇症伝染病の出現、院内感染の増加などが大きな問題になっています。

 

感染症を経験しながら成長します

 

赤ちゃんや子どもは、大人と比べると数倍感染症にかかりやすいものです。

 

なぜかというと、赤ちゃんや子どもの体は発育の最中で、いろいろな病気に対する抵抗力ができあがっていないからです。

 

そうした赤ちゃんや子どもが、この世の中にたくさんある病原体に出会うと、初めのうちは体の方が負けてしまいます。

 

その結果、いろいろな症状が出る(病気なる)のですが、出会うことを繰り返していると、だんだん体に抵抗力がついてきます。

 

これを免疫といいます。

 

赤ちゃんは、お腹にいるときは胎盤を通じて、生まれてからは母乳から抗体をもらい、自分でもつくりはじめます。

 

この免疫の仕組みには二通りあります。

 

1つは、体の中に入ってきたウイルスや細菌を食細胞やリンパ球の働きでやっつけてしまうもの(細胞性免疫)です。

 

もう1つは、抗体(免疫グロブリン)という、病気に対して防御作用をもつタンパク質の働きによるもの(体液性免疫)というものです。

 

生まれたばかりの赤ちゃんは、細胞性免疫の働きが不十分なうえに、抗体を自分でつくる能力も十分に備わっていません。

 

しかし、胎盤を通じてママからもらった抗体は生まれてから数カ月は体の中に残っています。

 

また、母乳を通しても、抗体や抗菌物質をもらっているので、この時期は比較的病気になりにくいものです。

 

しかし、生後3カ月ぐらいからママからの抗体はだんだん減り始め、6カ月ぐらいになると、ほとんどなくなります。

 

赤ちゃん自身も生まれてからは抗体を作り始めますが、一人前につくれるようになるにはまだ時間がかかります。

 

私たちの皮膚、口や鼻、腸にはたくさんの細菌がいます。

 

例えば、皮膚1平方センチメートルに数万から数十万、唾液1ミリリットルに数十万から数百万といった数の細菌がいます。

 

これらの常在菌は、病原菌の侵入を防ぐ役割ももっていますから、抗菌グッズなどで、常在菌を殺し、バランスを崩すのはかえってよくありません。

 

生後6か月ぐらいから感染症にかかりやすくなります

 

生まれる前は無菌状態でいた赤ちゃんは、生まれるとすぐにいろいろな病原体の侵入を受けます。

 

しかし、生まれたばかりのときはママから抗体をもらっている病気に対してはかからないのがふつうです。

 

例えばママがおたふくかぜ、はしかなどにかかったことがあれば、生後半年くらいまではもらった免疫があるのでかからないか、かかっても軽く済みます。

 

6カ月以後から幼児期にかけては、熱を出したり、かぜをひいたりすることが多くなりますが、外に出かければ感染する機会も増えるからでう。

 

しかし、こうして病気かかったり、予防接種を受けながら、免疫を作っていく時期でもあります。

 

大切な健康チェック

 

赤ちゃんや子どもは感染症にかかっても新陳代謝が旺盛なので治っていく時は休息に治る半面、急に重い症状を起こしたりすることがあり、油断できません。

 

そのため、年齢が幼いほど、早く病気を発見して治療する必要があります。

 

赤ちゃんや子どもの病気を早期に発見するためには、日ごろから健康な時の状態をよく知っておくとよいでしょう。

 

また、1〜2歳くらいまではお腹が痛くても、言葉で訴えることができないので、理由もなく泣き続けたり、食べ物を受け付けないときは、おなかが痛いことも考慮にいれる必要があります。

 

病気になりやすい条件としては、環境や気候の変化があげられます。

 

環境がかわったり、季節の変わり目などは注意が必要です。

 

看護は赤ちゃんの苦痛を和らげるのが中心

 

ウイルスによる感染症には、特別な治療薬はほとんどありませんが、大抵自然に治ります。

 

治療の基本は発熱やせきなど、赤ちゃんが苦しんでいる症状を和らげる対症療法が主になります。

 

細菌による感染症は抗生物質などを使う治療になります。

 

薬の副作用を恐れるあまり、薬の量を勝手に減らしたり、途中で服用を止めてしまう方が時々いますが、抗生物質は医師の指示に従って一定の期間きちんと使ってこそ効果があるものなので、ママの判断で勝手にやめてはいけません。

 

家庭では、赤ちゃんが楽に過ごせるよう看護してあげましょう。

 

汗をかいたら、拭いて着替えさせる、せきがひどいときは部屋の換気に気をつけ空気が乾燥しすぎないようにします。

 

なかでも注意したいのは脱水です。

 

嘔吐、発熱、下痢などがあって、母乳やミルクを飲みたがらない、食事をとりたくないようにみえるときでも、水分だけはこまめに飲ませましょう。


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