赤ちゃんや乳幼児が病気や怪我をすると心配ですよね。



BCG

母と子

予防できる病気:結核

 

BCGは、カルメット(C)とゲラン(G)という学者が、牛の結核菌(B)を弱毒化してつくったワクチンです。

 

大人に対する発病予防効果に関しては論議のあるところですが、子供、特に赤ちゃんに対する効果ははっきりしています。

 

日本は、他の先進国と比べると結核患者が飛びぬけて多いにもかかわらず、BCG接種がよく行われているため、子供の患者は少ないことからもBCGの効果がわかります。

 

また赤ちゃんが結核に感染すると、結核性髄膜炎や粟粒結核を起こしやすく、これらは重症になりやすいので、予防することが大切です。

 

定期接種:標準年齢3〜12か月

 

BCGは結核予防法によって、生まれてすぐから4歳までは公費負担で接種できます。

 

標準年齢は生後3〜12か月です。

 

前腕の屈側にまずツベルクリン注射を行い、48時間後に発赤(赤くなったかどうか)を判定します。

 

発赤が陰性(長径9mm以下)の場合にBCG接種をします。(陽性の場合は結核に感染していないか検査します)

 

また、小学校1年と中学校1年のときにツベルクリン反応をして、陽性の場合にBCG接種をしていますが、その効果についても論議を呼んでいるところです。

 

やり方:上腕部にスタンプを

 

9本の針がついたスタンプ様の器具を上腕部のワクチン液を塗った2か所に押し付けて接種します(管針法)。

 

接種の2〜3週間後に赤いポツポツができ、一部は膿をもつことがあります。

 

これはBCGがついた証拠ですから、絆創膏などをはらないで乾いた状態にしておきます。

 

1か月以上たつとかさぶたができ、3か月たつまでには自然に治ります。

 

いつまでもジクジクしているようなときは受診しましょう。

 

副反応

 

重い副反応はありません。接種した側の脇の下のリンパ節がはれることがありますが、はれは普通2cm以下で、半年ぐらいのうちに自然に治ります。

 

ごくまれに化膿して膿が出てくることがありますが、その場合は受診しましょう。

 

注意点

 

接種した後は10分くらい自然乾燥させます。

 

掻きむしったりすると細菌が入って膿むことがありますので、子供がかきむしらないように注意してください。

 

接種する場所に湿疹などの皮膚炎がある場合、副腎皮質ホルモン剤を使っている場合、免疫不全の場合などは、接種をどうするか医師に相談してください。


ポリオ

予防できる病気:ポリオ(急性灰白髄炎)

 

ポリオは、ポリオウィルスによる急性灰白髄炎のことで、もとは灰色という意味です。

 

脊髄の中心部にある灰白質は、主に神経細胞からなり、腹側からは運動神経が出ており、背中側からは知覚神経が入っています。

 

ポリオウィルスは口から入って、腸管で増殖します。

 

感染しても多くの場合はほとんど症状は出ないのですが、腹側の灰白質前部の運動神経細胞を破壊した場合は、片側性の上肢あるいは下肢の運動マヒが突然起こります。

 

このマヒに対する有効な治療法はありません。

 

1960年代、日本ではポリオの大流行がありましたが、予防接種のおかげで今ではみられない病気になりました。

 

定期接種:標準年齢3〜18か月

 

初回接種から、6週間以上あけてもう一度接種します。標準年齢は生後3か月から1歳半です。

 

接種したポリオウィルスは、腸管で増殖するので、接種後数週間は便からウィルスが排泄されます。

 

ごく稀に腸で増殖している間にウィルスがほかの人を発病させるような力をもつように変化することがあるので(先祖がえり)、集団接種をする地域が多いでしょう。

 

ポリオウィルスには1〜3型の3つのタイプがあり、1回飲むだけでは十分な免疫ができないタイプがあるため、間隔があいた場合でも、とにかく2回接種することが大切です。

 

集団接種が春と秋に多いのは、夏は夏かぜの原因になる腸管系ウィルスの感染が多いので、生ワクチンのウィルスによる免疫が十分つかない心配があるからです。

 

世界にはまだポリオが流行している地域もあるので、海外渡航の前には追加接種をしておくとよいでしょう。

 

やり方:スポイトで飲ませます

 

飲んだ直後にワクチンを大部分吐いた時は、もう一度飲むといいでしょう。もしワクチンの量が倍になっても、不都合はありません。

 

副反応

 

ポリオワクチンの副反応はほとんどありません。ごく稀に(100万人に1人ぐらい)マヒを起こすことがあります。

 

また、排泄されたワクチンウィルスに感染したと思われるポリオ患者もごく稀にあるようです。

 

注意点

 

下痢のときは飲んでも効果があがらないことがあるので、治るまでワクチンを飲むのは延期します。

DPT 3種混合

予防できる病気:ジフテリア、百日ぜき、破傷風

 

ジフテリアは今はほとんどみられない病気ですが、菌の毒素で心筋炎や神経マヒを起こします。

 

破傷風は、土の中にいる破傷風菌が傷口から入って強直性マヒやけいれんを起こし、死亡することも多い病気です。

 

定期接種:標準年齢3〜12か月

 

第T期 初回 生後3〜12か月  追加 初回終了後1年〜1年半

 

第U期 小学校6年生

 

第T期は、生後3か月から1歳の間に、3〜8週間の間隔で3回接種し、その終了後1年から1年半後に1回(第T期計4回)接種します。

 

また、小学校6年生のときに、ジフテリア・破傷風(DT)を1回接種します。

 

百日ぜきは、生後半年未満の赤ちゃんがかかるとひどくなりやすいので、なるべく早いうちに接種しましょう。

 

やり方:上腕部に注射します

 

副反応

 

現在使われているDPTワクチンでは、発熱はほとんどありません(初回1%その後は3〜4%)。

 

接種したところが赤く腫れることは、初回20%、その後は30〜50%にですが、多くは5cm以下です。2〜3日で自然に治ります。

 

1980年ごろ、百日ぜきワクチンの副反応が問題になりましたが、改良されたワクチン(百日ぜき菌から有効成分を取り出して作った成分ワクチン)が使われるようになってからは、重い副反応はなくなりました。

 

ごく稀に、腫れが上腕部全体に及ぶことがありますが、湿布などをすれば自然に治ります。腫れた跡がしこりになった場合も、1〜2か月たてば自然になくなります。

 

注意点

 

第T期は4回も接種するので、かぜをひいて受けられなかったり、ほかの予防接種と重なったりして予定通りにいかないことがよくあります。

 

接種間隔が開いてしまっても、きちんと接種することが確実に免疫をつけるためには大切です。

 

接種間隔があいた場合、接種したところが腫れた場合などは、その後のやり方について医師に相談してください。

はしか 麻疹

予防できる病気:はしか(麻疹)

 

定期接種:標準年齢12〜24か月

 

はしかは、高い熱とせきが続き、子供にとっては大変な病気なのに、根本的な治療法がなく、伝染力の強い病気ですから、予防接種がとても大切です。

 

標準年齢は1歳から満2歳ですが、1歳になったらなるべく早く接種しましょう。

 

はしかの流行中は、生後半年を過ぎていると感染する可能性があるので、1歳前でも予防接種をしておくと、かからずにすむか、たとえかかっても症状は軽く済みます。

 

ただし、この場合は任意接種になります。

 

また、ママからの免疫の影響で、予防接種をしても十分な免疫ができないこともあるので、1歳を過ぎたらもう一度接種するといいでしょう。

 

やり方:上腕部に注射します

 

副反応

 

生ワクチンは、わざと、軽くその病気にかからせて免疫をつくらせるものです。はしか自体が重い病気ですから、ワクチンでも、はしかの症状である発熱、発疹を起こす子供がみられます。

 

せき、鼻水はなく、周りの人に感染させることはありません。

 

接種後5〜14日に37.5度以上の発熱は約20%の子供に、38.5度以上の発熱は数%の子供にみられますが、2〜3日で自然に消えます。

 

高い熱の出始めに熱性けいれんを起こすこともあります。

 

また、ごく稀に脳炎、脳症が報告されています。(100万〜150万人に1人)

 

注意点

 

発熱、発疹などの症状が出そうな時期(接種後数日後から2週間ぐらいまで)は、激しい運動、旅行などは止めておくのが安全です。

 

熱性けいれんを起こしやすい子供や慢性疾患のある子供は、主治医に相談してから接種しましょう。

 

また、病気の治療などでガンマグロブリンの注射を受けた場合は、その影響がなくなるまでの3か月間(大量療法の場合は6か月)、はしかの予防接種は延期します。

 

※周囲の子供がはしかになった場合
はしかの子に接触した1〜2日以内ならば、予防接種をすれば発病予防ができるとされています。接触後2〜3日以内ならばガンマグロブリンは発病を抑え、5〜6日以内ならば症状が軽くすむとされています。どうするかは医師に相談しましょう。
兄弟がはしかにかかった場合は、潜伏期間中に感染しているので、予防接種やガンマグロブリンは間に合いません。

 

※現在は風疹・麻疹混合(MR)となっています。第一期を1歳、第二期を5〜7歳未満で小学校就学前1年間
さらに平成20年4月から5年間は、第三期を中学1年、第三期を高校3年に接種します。

風疹

予防できる病気:風疹(三日ばしか)

 

定期接種:標準年齢12〜36か月

 

標準年齢は1歳から満3歳です。

 

はしか、風疹の予防接種は、ともに標準年齢は1歳からになっていますが、はしかは風疹に比べると症状も重く、合併症も多い病気です。

 

1歳になったらまずはしかの予防接種を受け、風疹はその後で接種すればいいでしょう。

 

風疹は、比較的軽い発疹症ですが、妊娠初期にママが初めて感染すると、おなかの赤ちゃんが先天性風疹症候群になる危険性があります。

 

そのため、1977年以来、女子中学生を対象に予防接種を行ってきました。

 

1994年の予防接種法改正に伴い、小児期に男女とも予防接種をすることになりました。

 

これは風疹が流行しているときは。

 

血小板減少性紫斑病(約3000人に1人)、脳炎(約6000人に1人)などの合併症があることも改正の理由の1つです

 

やり方:上腕部に注射します

 

副反応

 

風疹ワクチンは重い副反応のほとんどないワクチンです。とくに、子供では発熱、発疹、リンパ節の腫れなどは、ほとんどありません(4%以下)。

 

高校生以上になると、発疹、リンパ節の腫れがみられるようになり、大人では接種の1〜2週間後に関節痛がみられることがありますが(6%)、数日から1週間ぐらいで治ります。

 

注意点

 

風疹にかかったことのない女性、予防接種をしていない女性は、妊娠前に風疹の予防接種を受けておくといいでしょう。

 

また、接種後2か月間は妊娠しないよう注意してください。

 

風疹ワクチンを妊娠中に接種すると、先天性風疹症候群を起こす危険性があります。

 

ただし、風疹は、はしかほど症状がはっきりしないことや、ウィルスに感染しても3分の1ぐらいは症状が出ない(無症状感染)ので、本人も知らない間に免疫がついていることもあります。

 

血液の抗体検査をすれば、風疹にかかったことがあるかどうかわかります。

 

妊娠を考える場合は、血液の風疹抗体を調べて、陰性ならば予防接種をすればよいでしょう。

 

※現在は風疹・麻疹混合(MR)となっています。第一期を1歳、第二期を5〜7歳未満で小学校就学前1年間
さらに平成20年4月から5年間は、第三期を中学1年、第三期を高校3年に接種します。

日本脳炎

予防できる病気:日本脳炎

 

日本脳炎ウィルスは、蚊(水田のコガタアカイエカ)が運び、ブタを刺して感染させ、そのブタの血を蚊が吸ってほかのブタを刺し・・・という連鎖で、感染ブタが増えたところで、感染ブタの血を吸った蚊から人に感染します。

 

人から人には感染しません。

 

毎年、春から秋にかけ沖縄から東北地方まで北上して感染ブタが発生しますが、北海道にはいません。

 

日本脳炎ウィルスに感染しても1000人に1人ぐらいしか発病しませんが、もし発病すれば、高熱、頭痛、意識障害、けいれんがあり、死亡20%、後遺症50%という警戒すべき病気です。

 

1950年代は、届け出患者数5000人以上、60年代は数百人、90年代には数人にまで減っています。患者数減少の理由としては、都市化、網戸の普及、蚊の減少、予防接種の普及などが考えられます。

 

患者発生数の激減、感染機会の減少などから、子供には予防接種は不要という意見があります。ウィルスに感染しても、発病するのはごく少数ですからそう考えるのも一理あります。

 

逆にもし感染して発病したら有効な治療法がないので、予防接種はすべきだという意見もあるでしょう。

 

個人防衛が目的の予防接種ですから、親それぞれが考えて接種するかどうかを決めればよいと思います。

 

日本では、日本脳炎の流行はほとんどありませんが、中国、東南アジアでは今も日本脳炎の流行がみられます。この方面へ行くようなときは接種を済ませておくとよいでしょう。

 

定期接種:標準年齢 初回3歳 追加4歳

 

第T期は、標準として3歳のときに1〜4週間間隔で2回接種し、1年後に追加接種します。第U期は小学校4年、第V期は中学U年が標準年齢で、それぞれ1回接種します。

 

第T期が規定通りできなかった場合、次のような方法があります。

 

たとえば、

 

  • 第T期1回だけで1年たったとき:2回接種するか、1回接種して翌年に追加接種する
  • 第T期1回だけで数年たったとき:2回接種し、翌年追加接種する
  • 第T期2回終了後2年以上たったとき:1回追加接種する

 

医師に相談するとよいでしょう。

 

やり方:上腕部に注射します

 

副反応

 

注射した場所の発赤、腫れが少しあります。発熱は接種2日以内に1%以下にみられる程度です。

インフルエンザ

予防できる病気:インフルエンザ(流行性感冒)

 

インフルエンザの予防接種には、

 

  • 流行するウィルスを予想しにくい
  • 小中学生に行われていた集団接種は予防接種事故が起こったり流行阻止の効果があがらないことから中止になった
  • 乳幼児のインフルエンザで重い合併症の脳炎、脳症が目立ってきた

 

などの問題があります。

 

インフルエンザウィルスは大きく分けて、A、B、Cの3種類があり、大流行するのは主にA型ですが、一部はB型です。

 

インフルエンザウィルスの表面にはHAタンパクとNAタンパクが棘のように出ており、感染するときに重要な役割をしています。

 

HAやNAにはいくつか種類があり、その組み合わせでウイルスが分けられます。

 

インフルエンザワクチンは主にHAタンパクを取り出してつくるので、HAワクチンと呼ばれています。

 

インフルエンザは世界的な大流行を繰り返しますが、1970〜80年代以降の流行は主に香港風邪(H3N2)とソ連風邪(H1N1)とB型です。

 

また、インフルエンザウィルスは同じ型のなかでも少しずつ変化するので、その年の流行ウィルスのタイプを予測しなければならないという難しさがあります。

 

任意接種:接種時期10〜12月

 

インフルエンザの予防接種は初回に接種した後、1〜4週間あけて2回目の接種をします。任意接種で、生後6か月から接種することができます。

 

インフルエンザウィルスは、上気道粘膜細胞に感染、増殖し、血液には入らないまま発病します。

 

ワクチンは血液中の抗体を作りますが、上気道の粘膜で主に働く種類の抗体はつくらないので、発病を防ぐという意味では効率が悪くなります。

 

しかし、予防接種は症状を軽くする、重い合併症である脳炎、脳症(5歳以下の子供が大部分)を防ぐ効果はあります。

 

ハイリスクの人(乳幼児、高齢者、慢性の病気をもっている人)が、インフルエンザにかかったとき、重症になるのを防ぐ個人防衛のためには、予防接種が有効です。

 

流行が予想される場合は6か月〜3歳の乳幼児も接種したほうがよいと思われます。

 

やり方:上腕部に注射します

 

副反応

 

注射部位が赤く腫れることがある程度で、発熱はほとんどありません。

 

注意点

 

卵アレルギーが明らかな場合は接種しないことになっています。(接種しても問題無いという説もあり、接種可能な病院もあるようです。かかりつけ医にそうだんしてみましょう)

おたふくかぜ

予防できる病気:おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)

 

おたふくかぜの合併症としては、無菌性髄膜炎、聴力障害、睾丸炎などがあります。

 

無菌性髄膜炎は3%ぐらいみられますが、目立った症状はないけれど、髄液に変化が出る軽い髄膜炎はもっとあると考えられています。

 

聴力障害は、片側に起こることが多いのですが、治りにくい難聴です。

 

以前は、15000人〜20000人に1人とされていましたが、最近の報告では300人に1人ともいわれ、軽視できない合併症です。

 

また、思春期以降にかかると、睾丸炎、卵巣炎を合併することが多くなります。

 

おたふくかぜはふつう、後遺症もなく治る病気なので、予防接種は不要という考え方もありますが、神経系の合併症がかなりありとくに聴力障害はいい治療法がないので、予防接種をしたほうがいいと思います。

 

任意接種:1歳から

 

かかりやすいのは幼児期後半ですから、2〜3歳までに接種するのがよいでしょう。

 

おたふくかぜはかかっても症状が出ない無症状感染が多いものです。

 

おたふくかぜが流行していたのにかかっていないという場合、本当にかからなかったか、無症状感染か、以前気付かないうちにかかって免疫をもっているかのいずれかです。

 

免疫があるか否かは血液検査をすればわかります。

 

やり方:上腕部に注射します

 

副反応

 

予防接種をしたあと2週間くらいたってから、耳下腺が軽く腫れたり、微熱がでることが数%にみられます。

 

予防接種による無菌性髄膜炎は、4500〜17500人に1人で、自然感染したときの3%に比べるとはるかに少ないものです。

 

注意点

 

予防接種はその利点、欠点のバランスを考えたうえで接種するかどうかを決めればよいと思います。

 

おたふくかぜの生ワクチンについても同様ですが、これまで軽視されていた感じのある合併症を考えると、予防したほうがよいと思われます。

 

89年から4年間、はしか、おたふくかぜ、風疹の3種混合ワクチン(MMR)が使われましたが、無菌性髄膜炎の多発のため中止となりました。

 

しかし、1回の接種で3種類の病気が予防できる利点は大きく、世界で広く使われているMMRワクチンでは無菌性髄膜炎の発生はきわめて低いことからも、その導入、接種再開が望まれます。

水ぼうそう

予防できる病気:水ぼうそう(水痘)

 

水痘生ワクチンは、白血病などの悪性腫瘍や、ステロイド剤を使っているネフローゼ、膠原病の場合のように、体の免疫の働きが低下している子供を対象に作られました。しかし、水ぼうそうに有効な治療薬(アシクロビルという抗ウィルス剤)ができたので、予防接種の対象は主に健康な子供になりました。健康な子供では水痘の重い合併症は稀で(水痘脳炎は3000人に1人)、有効な治療薬も出たので、ぜひともやったほうがよいという予防接種ではありません。
大人になって、予防接種の効果がなくなったころに水ぼうそうにかかると、重い症状になることも考えられます。
水痘ワクチンが必要なのは次のような場合です。
@病棟で水ぼうそう患者が出た場合の、入院中の子供:入院中の子供は免疫が低下しているので、水ぼうそう患者が出ると病棟内で大流行する恐れがあります。もちろん水ぼうそうの患者が入院するときは隔離しますが、ほかの病気で入院してきた子供が水ぼうそうを発病することがあります。伝染力の強い病気ですから、かかったことのない子供にはすぐワクチンを接種して予防します。
A水ぼうそうにかかったことのない医師、看護婦:本人のためにも、病棟で感染源にならないためにも接種が必要です。

 

任意接種:1歳から

 

水ぼうそうにかかったことのない1歳以上が対象です。

 

新生児、乳児、ハイリスクの子供に接する大人、とくに医療関係者や保育士などは、感染すると症状が重くなりやすく、ほかの子供への感染を予防するためにも予防接種が必要です。

 

ただし妊娠中の女性は接種できません。

 

やり方:上腕部に注射します

 

副反応

 

健康な子供に接種しても副反応はほとんどありません。

 

注意点

 

もともとハイリスクの子供用だったので効力が弱く、接種した子供の10〜20%ぐらいは後で水ぼうそうにかかることがあります。

 

しかし、予防接種をしていると、多くの場合、症状は軽く、早く治るようです。

 

はしかの場合と同じですが、自然感染の機会がなくなった場合に、ワクチンの効果がいつまで続くかが問題になります。2回接種の必要も出てくるかもしれません。

B型肝炎

予防できる病気:B型肝炎

 

B型肝炎(HB)は、B型肝炎ウィルスによって起こります。このウイルスの感染では、一過性感染と持続性感染とがります。

 

一過性感染には、無症状感染、急性肝炎、劇症肝炎などがありますが、新生児・乳児期に感染したときは、ウィルスはずっと持っているけれど症状は何も出ない(保因者)か、保因者から慢性肝炎、肝硬変、肝がんに進行する場合があります。

 

母子感染防止事業の対象者は公費負担

 

B型肝炎に感染しているママから生まれる赤ちゃん、保因者の家族、頻回の輸血・血液製剤投与が予定されている人、医療従事者などが接種の対象になります。

 

B型肝炎に感染しているママから生まれる赤ちゃんは、母子感染防止事業の対象になるので、公費負担で接種できます。

 

血液検査をして、HBs抗原陽性ならば肝臓にB型感染ウィルスがいることを示し、さらにHBe抗原陽性ならば、血液の中にもウィルスがたくさんいて、感染する危険性が高いことを示します。

 

HBs抗原陽性の妊婦の約25%がHBe抗原陽性です。

 

HBe抗原陽性のママが生んだ赤ちゃんのほとんどがB型肝炎ウィルスに感染します。

 

HBe抗原陰性の場合は、赤ちゃんに感染することは少ないと考えられていますが、感染したときは劇症肝炎になることもあります。

 

HBe抗原陽性のママの赤ちゃんは1986年から、HBe抗原陰性のママの赤ちゃんは1995年から、公費負担の予防接種ができるようになりました。

 

母子感染予防の場合は、B型肝炎免疫グロブリンを、生後48時間以内と生後2か月に注射します。

 

ワクチンは生後2か月、3か月、5か月の3回接種します。初めに免疫グロブリンを使うのは、B型肝炎ウィルスの感染は出産のときに起こるのがほとんどなので、ワクチン接種だと免疫を作るのが間に合わないからです。

 

接種後に血液検査をして、免疫がついたかどうかを調べて、不十分な場合は、追加接種をします。

 

母子感染防止以外の一般の予防接種は、血液検査で、保因者でないこと(HBs抗原陰性)、免疫ができていないこと(HBe抗原陰性)であることをたしかめてから、3回接種(初回、1か月後、5〜6か月後)します。

 

任意接種なので自己負担になります。

 

やり方:上腕部に注射します

 

副反応

 

注射したところが赤くなる(発赤)、腫れが1%にあるくらいです。



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