赤ちゃんや乳幼児が病気や怪我をすると心配ですよね。



脳と神経の病気

母と子

赤ちゃんの頭はハードウエア

 

生まれたばかりの赤ちゃんは、4頭身と頭でっかちです。

 

ママのお腹の中にいたときから、脳は少しずつ発達していて、生まれると同時にそれまでの環境とがらりと変わる外の環境に適応できるように、準備しているからです。

 

生まれた時はすでに、脳神経細胞は大人並みの約140億個も備わっています。

 

生まれたての赤ちゃんの頭は、例えて言えばハードウエアは整っていて、これからソフトをプログラミングされるのを待っているコンピュータのようなものです。

 

例えば、歩くという動作ひとつをとっても、自分の体を2本の足で支えて立ち、足の筋肉をあるところは伸ばし、あるところは縮めて動かす、などの複雑な動きが連動していて初めてできます。

 

いろいろな神経同士が一瞬のうちに連絡をとりあって、それが可能になるのです。

 

そのために、脳の神経細胞は、その1つ1つから線維が長く伸びて、別の神経につながりながら、より高度な能力を育てていきます。

 

生まれた時に400g前後だった赤ちゃんの脳は、こうしてその働きが高度になるに従って重くなっていきます。

 

1歳ごろには2倍の800g、2歳では約1200gになり、それ以降は増え方がずっとゆるやかになります。

 

基本的な運動能力や、見たり聞いたり話したりする知的能力が3歳ごろまでに備わるのは、この脳神経の発達と深い関係があります。

 

頭の大きさの成長の仕方が脳の発達をみる手掛かりになる

 

このように、中身の脳がどんどん重くなっていくのに伴って、器である頭蓋骨も大きくなっていきます。

 

生まれた直後は33cm前後だった頭囲は、生後3か月で6cmも大きくなり、その後1歳で12cmも増えて45cm前後になります。

 

そこから徐々に大きくなるペースが緩やかになって、3歳で、大人の頭囲の90%になります。

 

乳幼児健診では、赤ちゃんの体重や身長の伸びとともに、頭の大きさを測りますが、これは頭囲の増加は脳が順調に発達しているかどうかの1つの目安になるからです。

 

もちろん、頭の大きさにも個人差があります。

 

健診では、他の子と頭の大きさを比べるのではなく、生まれた時からどのように大きくなってきたか、それが、平均的な成長曲線と大きくはずれていないかどうかをチェックします。

 

また、赤ちゃんの頭のてっぺんには、まだ骨と骨の間に広い隙間があります。

 

外から見ても、血管が脈を打つたびにペコペコしているのがわかります。

 

この隙間を大泉門といいますが、この隙間があいているため、脳の発達に伴って、頭蓋骨も大きくなることができるのです。

 

また、大泉門は、髄膜炎や脳炎などで頭蓋内圧が高くなると膨隆し、逆に脱水症などを起こすと陥没するので、病気の診断をするうえで大切な情報を与えてくれます。

 

大泉門は、頭蓋骨がある程度の大きさになった1歳過ぎから目立たなくなります。

 

乳幼児期は体の成長よりも脳の発達のほうが早く、しばらく頭でっかち時代が続くため、転んだり頭を打ったりする事故が多いものです。

 

ちょっとした注意で予防できるものも多いので、安全対策を忘れないようにしたいものです。


脳と神経の病気記事一覧

水頭症(すいとうしょう)

こんな病気:脳に髄液が過剰にたまる病気です脳の中の脳室という部屋や脳の表面には、脳脊髄液(髄液)という水分が循環しています。この髄液の産生が増えたり、循環経路のどこかが詰まったり、吸収が悪くなったりすることによって、髄液が過剰になります。髄液がなんらかの原因で過剰にたまる病気です。原因:先天的な障害...

≫続きを読む

 

頭蓋骨早期癒合症(ずがいこつそうきゆごうしょう)

こんな病気:頭蓋骨が早く閉じてしまう病気です。頭蓋骨は、前頭骨、頭頂骨、側頭骨、後頭骨という4つの骨からできています。子供はこれからどんどん頭が大きくなっていくため、骨と骨の間は軟らかい組織(縫合線)でつながっています。なんらかの原因で、この縫合線が早く骨化して頭蓋骨が閉じてしまい、脳の成長を阻害す...

≫続きを読む

 

小頭症(しょうとうしょう)

こんな病気:脳の発育が悪く、頭が大きくならない病気脳にトラブルがあるため、脳が小さく頭も大きくならない病気です。原因:先天奇形や脳出血などさまざまです。脳の先天奇形、脳梗塞、脳出血、髄膜炎や脳炎などです。症状:頭が小さく、発達も遅れます。脳が大きくならないため、頭蓋骨もおおきくなりません。頭囲が、平...

≫続きを読む

 

二分脊椎(にぶんせきつい)

こんな病気:脊椎がうまれつき閉じていない病気です。脊髄の発生過程にトラブルがあって、背骨(脊椎)の後ろ側がくっつかなかった病気です。背骨の欠損した部分から、後ろに出ているものによって、脊髄髄膜瘤、髄膜瘤、脊髄脂肪腫などにわけられます。症状:下肢マヒ、排泄障害などがありますが、症状の出方や程度はさまざ...

≫続きを読む

 

泣き入りひきつけ

こんな病気:大泣きしたときなどに起こすひきつけです。生後6か月から、3?4歳の子供に多くみられます。かんしゃくを起こして大泣きしたり、急にびっくりしたときに、けいれんや、ぐったりして意識を失ったりするものです。原因:脳の発達が未熟なために起こるものです。赤ちゃんや子供は、脳の発達が未熟なため、ほんの...

≫続きを読む

 

熱性けいれん

こんな病気:高い熱とともにけいれんがおきます。38度以上の熱が急にでたときに、けいれんを起こし、意識を失います。けいれんをおこした後に発熱に気づくこともあります。5歳以下の子供の3?4%にみられ、そのうち約3分の1は、何度か繰り返すといわれます。髄膜炎のような中枢神経系の感染症によるけいれんや、脱水...

≫続きを読む

 

てんかん

こんな病気:繰り返し発作が起きる病気です。てんかんは、脳の神経細胞が異常な電気的興奮を起こすために、繰り返し発作が起きる病気です。熱もないのに、いつも同じような発作が繰り返し起きる場合は、てんかんの可能性が強く疑われます。脳の神経細胞が、異常な電気的興奮を起こすひきがねになる刺激(誘因)がみつかるこ...

≫続きを読む

 

髄膜炎(ずいまくえん)

こんな病気:脳を包む髄膜が炎症を起こす病気細菌やウィルスの感染によって、髄膜が炎症を起こす病気で、乳児期に起こりやすい病気の1つです。髄膜炎を起こしやすい細菌やウィルスは知られていますが、それらに感染しても、そんなに簡単には髄膜炎になることはありません。なぜ、ある子供たちでは細菌やウィルスが髄膜まで...

≫続きを読む

 

脳炎(のうえん)

こんな病気:感染によって脳に炎症を起こす病気ウィルスや細菌に感染して、脳に炎症を起こす病気です。多くの場合は、ウィルス感染によって起こります。原因:はしか、風疹、ヘルペスなどのウィルスが原因です原因となるウィルスはたくさんありますが、よくみられるのは、はしか(麻疹)や風疹(三日ばしか)、水ぼうそう(...

≫続きを読む

 

急性脳症(きゅうせいのうしょう)

原因:脳炎によく似た症状で感染によらない病気急性脳症は、脳炎と非常によく似ていますが、脳への直接の感染は起こしておらず、ほとんどの場合、原因が不明です。「ライ症候群」「ウェルニッケ脳症」「急性壊死性脳症」「出血性ショックを伴う脳症」など、いくつかのタイプが知られています。症状:意識障害やけいれんが急...

≫続きを読む