赤ちゃんや乳幼児が病気や怪我をすると心配ですよね。



てんかん

母と子

こんな病気:繰り返し発作が起きる病気です。

 

てんかんは、脳の神経細胞が異常な電気的興奮を起こすために、繰り返し発作が起きる病気です。

 

熱もないのに、いつも同じような発作が繰り返し起きる場合は、てんかんの可能性が強く疑われます。

 

脳の神経細胞が、異常な電気的興奮を起こすひきがねになる刺激(誘因)がみつかることもあります。

 

熱性けいれんのなかで将来てんかんになるものは、熱が刺激になっててんかんが誘発されるタイプと考えられます。

 

そのほか、テレビの画面のチカチカする光や図形、入浴や読書、音楽などが引き金になることもあります。

 

しかし、明らかな誘因のみつからないてんかんの方がずっと多いのです。

 

脳炎や髄膜炎のときにけいれんを繰り返しても、そのときだけでおさまってしまえば、てんかんとはいいません。

 

また、乳幼児期では、胃腸炎を起こすかぜに伴って、さして高い熱もないのに、数日の間に何回もけいれんを起こすことがあります。

 

これも病気が治ったあとに繰り返すことはまずありませんから、てんかんとは区別されます。

 

乳幼児期にみられるてんかんには様々なタイプがあり、治りやすいものもあれば治りにくいものもあります。

 

まずはどのタイプのてんかんなのかを正確に診断し、それに合った薬をきちんと服用することがなにより大切です。

 

原因:素因が関係する場合と、脳にはっきりした病変が見られる場合があります。

 

発作を起こしやすい遺伝的な素因(体質)が関係していると考えられる場合を、突発性のてんかんといいます。

 

脳に発作を起こすはっきりした器質的な原因がみつけられる場合は、症候性のてんかんといいます。

 

これは脳の形成異常、良性腫瘍、脳炎、急性脳症、外傷などによる脳損傷などが原因となります。

 

なんらかの原因が推定されるけれども現在の診断技術でははっきりとした病変がつかまらない場合も少なくありません。

 

一般的に、突発性のてんかんは治療が有効なことが多いので、治りやすく、症候性のてんかんは治療が効きにくく治りにくい傾向があります。

 

症状:発作はいろいろありますが、全般性と局在関連性に分けられます

 

全般性の発作は、神経細胞の異常な興奮が最初から脳全体を巻き込んで起こるタイプで、全身が短時間硬くつっぱる強直発作や、意識が短時間とぎれる欠神発作、体が一瞬ピクッとなるミオクロニー発作などがあります。

 

局在関連性の発作は、異常な興奮が脳のある一部分から始まることが確認できるタイプで、そのなかで意識が保たれるものを単純性、意識が濁ってしまうものを複雑性と区別しています。

 

発作の始まるときに、部分的な症状がみられることがあります。

 

突然意識を失って倒れ、体を硬直させ、次いで手足をガクガクさせるいわゆる「大発作」は、全般性の発作にも局在関連性の発作にもみられます。

 

どちらのタイプでも、発作を起こしていないときは、まったくふつうと変わりない生活ができます。

 

しかし、異常な脳の興奮が強く長く持続しているときには、ボーッとしたり、歩き方がフラフラしたりすることがあります。

 

また、難治性のてんかんでは、神経学的な異常や知的障害を伴うことがしばしばみられます。

 

検査:脳検査でてんかん波の有無を調べます。

 

てんかん以外にも繰り返し発作を起こす他の病気があります。

 

そういう病気を除外したうえで、正確にてんかんと診断するために、脳波検査をします。

 

てんかんの場合は、脳細胞の異常な興奮を示すてんかん波(棘波あるいは棘徐波)が記録されます。

 

しかしてんかんであっても(とくに乳幼児の場合)、通常の脳波検査ではてんかん波が記録されない場合があります。

 

治療:抗てんかん剤の服用で、発作はコントロールできます。

 

てんかんとわかったら、抗てんかん剤を服用して、発作をコントロールします。

 

てんかんは慢性の病気なので、多くの場合、何年もの間、根気よく、忘れずに薬を飲む必要があります。

 

今は子供のてんかんの70%以上は、薬でコントロールできるようになってきています。

 

てんかんのタイプによって違いがありますが、一般に、薬を飲み始めて3年以上発作が起こらなくなって、脳波が2年以上正常になった場合は、だんだんと薬を減らしていきます。

 

多くの場合、急に薬の服用をやめると発作が再発しますから、1〜2年かけて、脳波の検査をして異常がないことを確かめながら薬を減らしていきます。

 

しばらく発作が起こらないからといって、勝手に薬を減らしたりやめたりすると、再発してそれまでの治療が無意味になってしまいます。

 

必ず主治医と相談しながら薬を服用することが大切です。

 

また、薬でコントロールするのが難しいてんかんでも、脳のある限局した部分から発作が起こっている場合には、その部分(焦点)を外科的に切除する手術も最近いい治療成績をあげています。

 

しかし、てんかん性脳症と呼ばれるものは、いまだにきわめて難治の病気です。

 

その代表的なものが、次の2つです。

 

点頭てんかん(ウエスト症候群)

 

生後3〜10か月くらいの赤ちゃんに起こってくるもので、急に首を前に倒し、何かに抱きつくように両手を前に出す格好をしたり、急に体をのけぞらしたりするような発作がみられます。

 

こうした発作は眠くなったときに起こりやすく、1日に何回もシリーズ(連続的に発作を起こすこと)を繰り返すのが特徴です。脳波を検査すると「ヒプスアリスミア」という特徴的な脳波を示します。

 

脳の奇形や代謝異常などの先天異常、出産時の重度の低酸素性虚血性脳症がある赤ちゃんにみられることもありますが、はっきりとした原因がみつからず、発作が起こるまでの発達も正常だった、という場合も少なくありません。

 

しかし、発症後は、多くの場合、発達の遅れが見られます。

 

治療は抗てんかん剤をはじめ、さまざまなものが試みられています。

 

抗てんかん剤でコントロールが難しい場合は、入院してACTH(副腎皮質刺激ホルモン)の治療を行うのが一般的です。

 

この治療法は先天異常や神経系にもともとの異常の認められない点頭てんかんには特に有効ですが、発達の遅れなどの後遺症を減らすことができるかどうかはまだ明らかではありません。

 

現在できるだけ少量で、副作用を抑えながら有効性を高める工夫が続けられています。

 

レンノックス症候群

 

多くの場合、2〜3歳ごろに起こります。

 

乳児期に点頭てんかんを発症した子供の約半数はノンレックス症候群に移行するといわれています。

 

また、幼児期に初めて発作を起こすこともあります。

 

体を短時間グーッとつっぱる強直発作、ピクンとさせるミオクロニー発作、意識が短時間途切れる欠神発作などの、さまざまな小型発作が現れます。

 

これに加えて特徴的な脳波が現れ、発症後知的障害が起こるのがこの症候群の特徴です。

 

多くは、抗てんかん剤は限られた効果しかみられず、治療の決め手のない、難治性の病気です。




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