赤ちゃんや乳幼児が病気や怪我をすると心配ですよね。



循環器の病気

母と子

赤ちゃんは生まれた途端に血液の循環の仕方も変わってきます

 

心臓や血管など、血液の循環に関わる器官を循環器と呼びます。

 

心臓は、酸素をたくさん含んでいる血液を、動脈から全身に送り出します。

 

体の各部分で酸素と二酸化炭素を交換した血液は、静脈を通して心臓まで運ばれ、心臓はその血液を肺に送り出します。

 

ですから、心臓に何かトラブルが起こると、全身的な影響が出てきます。

 

これを心不全といいます。

 

ママのお腹の中にいるとき、赤ちゃんは臍帯を通じて胎盤から酸素や栄養の補給を受け、また、老廃物も処理してもらっていました。

 

ところが生まれた途端、赤ちゃんは自分で呼吸をし、酸素を取り入れるために肺に血液を循環させなければいけません。

 

この急激な変化に適応できなかったり、胎児時代の血液の流れがそのまま残ったりすると、赤ちゃんに心臓病の症状が現れてきます。

 

予定日よりも早く生まれて来た赤ちゃんは、この血液循環のメカニズムが完成しないうちに生まれてくるので、動脈管開存症などのトラブルが起こりやすくなります。

 

心臓の奇形をもって生まれてくる赤ちゃんは軽いものまで含めると100人に1人くらいいます

 

心臓は動脈血と静脈血が混ざらないように、左右の心室と心房に仕切られています。

 

また、血液が逆流しないよう、要所要所に弁が設けられている等、きわめて合理的な構造をもっています。

 

そのため、ちょっとした奇形があっても、血液の流れに異常を生じやすいものです。

 

ところが、赤ちゃんがママのお腹の中にいたときは、自分で呼吸していないため、心臓に異常があっても、なんのトラブルもなく発育することが多いのです。

 

生まれて自分の力で呼吸するようになって徐々に負担が大きくなり、症状が現れるようになります。

 

生まれてくる赤ちゃん1000人のうち7〜8人、ごく軽いものを含めると10人くらいはいます。

 

一口に心臓の奇形といっても、種類も程度もさまざまで、どんな症状がでるかもそれぞれ違います。

 

また、同じ奇形でも、その後どうなるかは、ひとりひとり異なっています。

 

先天性心奇形の原因としては、染色体異常に伴うもの、先天性風疹症候群などがありますが、全体からみるとごく少数です。

 

大部分はとくに原因がみつからないものです。

 

心臓を奇形を疑う症状としては、次のようなものがあります。

 

  • チアノーゼ(唇や手足の爪が紫色になること)。
  • 呼吸が荒く速い
  • 哺乳力が弱い
  • 体重がほとんど増えない
  • 泣き声がよわよわしい、声がかすれている
  • 聴診器で、心臓に雑音が聞こえる
  • 異常に汗をかく
  • 手や足がいつも冷たい

 

赤ちゃんの心臓病の約90%は、この先天性心奇形です。

 

生まれた後から起こる心臓病はごく少なく、感染による心筋炎や弁膜症などです。


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