赤ちゃんや乳幼児が病気や怪我をすると心配ですよね。



アレルギーの病気

母と子

異物の侵入を防ぐ防御反応が過剰に働くものです

 

病原体から体を守る重要な働きの一つに、抗原抗体反応というものがあります。

 

私たちの体には、今まで遭遇したことのない異物(抗原)が入ってくると、それをはねのけようとする力が備わっています。

 

このときタンパク質の一種ができ、これを抗体といいます。

 

次に同じ異物など(抗原)が入ってくると、既にできている抗体が反応して、追い出そうとするのが抗原抗体反応です。

 

しかし、この抗原抗体反応がときに過剰に反応することがあります。

 

異物など抗原の働きを抑える力が、自分の体も傷つけてしまうのです。

 

こうした反応をアレルギーといい、アレルギー反応を起こしてしまうような抗原をアレルゲンと呼んでいます。

 

抗原抗体反応には体にとって良い面と悪い面があり、良い面を免疫、悪い面をアレルギーと呼んでいるのです。

 

例えば、卵を食べてもふつうの人はなんでもありません。

 

しかし、卵アレルギーのある人だと、卵を異物として排除しようとするために、発疹、嘔吐、下痢などアレルギー反応が出てしまいます。

 

このように、ふつうの人はなんでもないものでも、人によってはアレルギーの原因(アレルゲン)になります。

 

アレルゲンには、いろいろな種類があり、何がアレルゲンになるかは人によって全然違います。

 

大別すると、

 

  • 食物性アレルゲン:卵、牛乳、大豆など。じんましん、アトピー性皮膚炎、喘息などを起こす事がある。
  • 吸入性アレルゲン:ほこり、ダニ、花粉、動物の毛など。喘息、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎などを起こす事がある。
  • 接触性アレルゲン:植物の漆、金属、化粧品、塗り薬など、体に触れてすぐ皮膚炎などを起こす。

 

などがあります。

 

赤ちゃんや小さい幼児は、食べ物でアレルギーを起こす場合が多く、ほこりなどを吸いこんで起こす吸入性のものは、3〜4歳になってから多くなってきます。

 

アレルギー反応には4タイプあります

 

実はアレルギーの仕組みはとても複雑ですが、現在わかっていることをもう少し詳しくみてみましょう。

 

アレルギーはアレルギー反応の出方から、T型はアナフィラキシー型、U型は細胞障害型、V型は免疫複合型で、T型からV型までは、アレルゲンに抗体が反応して起こるもの(抗原抗体反応)です。

 

W型は、細胞伝達型ともいい、抗体の代わりに白血球中のT細胞やマクロファージと呼ばれるものが関係するものです。

 

赤ちゃんや子どものアレルギーの病気と関係の深いものは、T型反応と呼ばれるものです。

 

T型は、免疫グロブリンE(IgE)抗体によって起こるものです。

 

なんらかのアレルゲンが体の中に侵入してきて、この抗体がつくられると、肥満細胞(マスト細胞)という特殊な細胞にくっつきます。

 

これを「感作された状態」といいます。

 

この状態にあるときに、また同じアレルゲンが侵入してくると、肥満細胞上で抗原抗体反応が起き、ヒスタミンやロイコトリエンなどという化学伝達物質が細胞から出てきます。

 

これが体の粘膜などにさまざまな影響を与え、いろいろなアレルギー症状が出ます。

 

気管支喘息、アレルギー性鼻炎、じんましんなどはこのようにして起きます。

 

アレルギー体質は遺伝しやすいのです

 

アレルギーの病気の赤ちゃんの家族を調べてみると、両親や兄弟に気管支ぜんそくやアトピー性皮膚炎などアレルギーの病気をもつことが多いものです。

 

このことは古くから言われていて、アレルギー体質、アトピー体質などと呼ばれています。

 

なぜこうした体質が受け継がれていくのかはよくわかっていませんが、アレルギーのT型では免疫グロブリンE(IgE)というタンパク質の一種が関係していることはわかっています。

 

アレルギーを起こしやすい人は、そうでない人に比べてこのIgEをたくさんもっています。

 

こうした体質は遺伝するので、同じ家族内にアレルギー性疾患がたくさん出ることになるのでしょう。

 

起こしやすいアレルギーの病気の種類は年齢によって変わっていきます

 

赤ちゃんのころは、アトピー性皮膚炎、食物アレルギーがよくみられます。

 

1歳を過ぎると気管支喘息、幼児期には、アレルギー性鼻炎やアレルギー性結膜炎を起こす子どももでてきます。

 

このように年齢によって起こしやすいアレルギーの病気は変わってきます。

 

アレルギー体質の子どものなかにはいろいろなアレルギーの病気を年齢とともに次々起こしていくこと(アレルギーマーチ)もあります。

 

ただ、アトピー性皮膚炎の子どもは大きくなったら気管支ぜんそくに必ずなっていくというわけではありません。

 

あまり神経質にならず、気管支ぜんそくになる可能性がふつうの場合よりも高いということで、抵抗力がつくよう体を鍛える、環境を整備するなど日常生活に気を付けていればいいでしょう。

 

アレルゲンをみつける検査はいろいろあります

 

アレルギーの病気では、アレルゲンをみつけて、それを除去できるならそれに越したことはありません。

 

アレルゲンを見つける検査はいくつかありますが、検査結果とアレルギー症状が必ずしも一致するわけではないので、「アレルゲンはこれだ」と断定するのは難しいものです。

 

血液検査

 

総IgE(アレルギー反応の起こしやすさの目安)、ラストスコア(個々のアレルゲンに対するIgE)、好酸球(アレルギーの病気の重症度)などが調べられます。

 

皮膚テスト(スクラッチテスト、ブリックテスト)

 

家のほこりや花粉を溶かして薄めた溶液を皮膚の上に1滴づつたらし、その上を針などでひっかき、反応を見る方法です。

 

パッチテスト

 

植物や薬品、化粧品などを布に少量たらし、皮膚に貼って、48時間後に調べます。

 

赤くなっていれば陽性です。

 

除去試験・誘発試験(負荷試験)

 

食物アレルギーでも特定のものを食べるとじんましんが出るなどの場合はすぐにわかりますが、食べ物のアレルゲンを発見するのは大変です。

 

毎日、何をどのくらいの量、食べたかを記録する食事日誌をつけ、症状が出た日の献立から見当をつけて、それを除いた食事を2〜3週間続けます。

 

そして症状が改善するかどうかを判定します。

 

これを除去試験といい、その後再び同じものを食べてもらって、症状が出るかどうかをみます。

 

これを誘発(負荷)試験といいます。

 

環境を整えたり抵抗力をつけることもアレルギー症状を予防するには重要です

 

アレルギー体質であっても、環境を整えたり、抵抗力をつけることによって、アレルギー症状を出にくくさせることは可能です。

 

日常生活上の注意としては

 

  • 室内はこまめに掃除をしてほこりやダニが出ないようにする
  • 肌は保湿と清潔を心がける
  • 肌に直接触れる衣類は、木綿など通気性、肌触りのいいものにする
  • 薄着にする
  • 外でよく遊ばせる

 

などを心がけましょう。

 

また、アレルゲンがはっきりわかっているときは、アレルゲンに触れないようにします。

 

しかし、アレルゲンを特定することは難しく、ほこりなどのようにたとえわかっていても完全に除去することが難しいものもあります。

 

ですから、アレルゲンが体の中に入ってきてもアレルギー反応を起こさせないような丈夫な体をつくることが一番です。

 

このほか、心理的なものが病気をさらに悪化させることも多いので、赤ちゃんや子どもを不安な気持ちにさせないことも大事な予防のひとつです。


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